茶道からみるコーチとして私が大切にしていること
茶道もコーチングも共に、私にとっては、非日常的な空間で、自分自身を見直し、精神を高めることができる空間です。
毎回変わらずにクライアントもしくはゲストにとって価値のある満足のいくコーチング、茶道を最高の空間にて提供することを目指します。
1.茶道は非言語コミュニケーション
香り、手触り、味わい、目でみる美しさ、かすかに聞こえる音など五感すべてを使います。また、茶席のテーマ、季節感を所作や道具等のしつらえといった非言語要素で伝えたいメッセージを表します。
コーチングも、発する言葉から得られる情報は7%と言われており、その他は非言語の部分から五感を通じて情報を得ています。こうした言語・非言語コミュニケーションを駆使して、クライアントの本質を見出し、シンプルでミニマリストなコーチングを目指しています。
2.一期一会
一期一会は、茶道から生まれた言葉で、「あなたとこうして過ごしているこの時間は、二度と巡ってこないたった一度きりのもの。だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう」という意味です。
コーチングのセッションも、一回一回のセッションは、コーチである私にとっても、クライアントにとっても人生の中で、たった一度きりです。その精神にのっとってコーチングを誠心誠意行うことを大切にしています。そして、この小さな出会いを大切にコーチングという場で育てていくことで、クライアントにとって人生の中での大きな出会いになるようにしています。
3.千利休の七則の心得
千利休の七則の心得を大切にしています。
- 茶は服のよきように点て
茶は飲む人にとってちょうど良くなるようにたてなさいということです。
クライアントが何を求めているかを第一に考えて心をこめてコーチングをしていきます。クライアントにその気持ちも伝わるほど心の一体感が取れることを目指しています。
- 炭は湯の沸くように置き
お湯がよくわくには、上手に考えて炭をおかなければいけません。
コーチングでもクライアントにとって価値のある時間になるように準備をします。
- 花は野にあるように生け
床の間に飾る一輪の花は野原を想起させるように生けなさいということです。ここでは、野にある花の本質的な美しさを引き出すように生けるということです。
コーチングでもクライアントの課題をシンプルに、課題の本質を見抜くことを目指しています。
- 夏は涼しく冬暖かに
クーラーがない時代に、夏暑い時は打ち水をして涼を誘い、冬寒いときは暖かいお菓子を出すなどと、客人が少しでも快適に過ごせるように、季節にあった気配りを欠かさなかったそうです。
コーチングでも、クライアントに合わせて、言葉や話し方、スタイルを変えるなど場の状況をみながら臨機応変に最適なコーチングを提供したいと思っています。
- 刻限は早めに
時間に余裕をもってということですが、精神的な余裕をもってということです。
1人のクライアントのことだけを考えて心に余裕をもってコーチングをします。
- 降らずとも傘の用意
不慮の事態に備えておこうということです。
コーチングで信頼関係を築くためにも、全てをクリアにしてコーチングを行っていきます。
- 相客に心せよ
これは、同席したお客様に心配りをしようということです。
コーチングを受けに来て頂いたことに感謝をし、この場を価値あるものとしてみていただけるよう、真心をもって接します。
日本の伝統である茶道とコーチング、一見、全く接点がないように見えますが、掘り下げていくとこんなにも接点が。
ものの見方って、面白いですよね。
あなたが普段何気に思っていることも、実は色々な見方があるかもしれませんね。